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『図説 室町幕府』著者・丸山裕之氏インタビュー!

「室町時代の専門書の副読本にピッタリ!」「複雑だと思っていた組織、制度、戦乱が項目立てて説明されていてわかりやすい!」といったお声を多くの方からいただいている『図説 室町幕府』。ありそうでなかった本・こんな本が欲しかったということで、発売直後に即重版が決まったほどでした…!今回は、本書の著者でもあり、弊社の編集長でもある丸山裕之氏にインタビューをさせていただきました!   



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『図説 室町幕府』を執筆されるきっかけは何だったのでしょうか?

2017年に、室町幕府の将軍全15代と幕府で活躍した兄弟たちを取り上げた榎原雅治・清水克行編『室町幕府将軍列伝』を刊行したのですが、同書の企画・編集を進めるなかで、「この本で室町幕府の将軍についてはよくわかるようになるけど、そもそも室町幕府ってどういう政権・組織だったんだろう?そういえば、室町幕府をわかりやすく解説した本はなかったな」と思ったのが、最初のきっかけです。
そして近年、呉座勇一先生の『応仁の乱』や亀田俊和先生の『観応の擾乱』、峰岸純夫先生の『享徳の乱』など、室町時代の戦乱を扱った一般書が多数刊行され、一種の〝室町ブーム〟が起こりつつありますが、それらの書籍をより深く理解するためのツールがあったらいいなと考え、執筆に踏み切りました。



執筆されるうえで、意識した所やこだわった所はどのあたりでしょうか?

最初は室町幕府の通史を書こうかなとも考えたのですが、大枠の歴史については、各出版社から刊行されている室町時代の通史ですでに書かれているので、あえて書く必要はないのかなと思いました。そこで、何か特色を出したいなと考えたところ、それまでも用語や概念が難しくて理解できないという感想が耳に入っていましたし、室町幕府の機構・役職や政策を個別に解説したらわかりやすくなるのではないかと思い、項目別に執筆することに決めました。
また、そもそもが地味な時代、地味な幕府なので、文章をメインにしてしまうと取っつきづらいだろうなと考え、「図説」というスタイルを取ることにしました。それも、ただ写真を並べるだけだとつまらないと思い、文章はくどくならないよう要領よくまとめることにし、
フローチャートや概念図を多用することで、視覚的にもわかりやすくなるよう意識しています。イラストやセリフにもこだわりました。



実際に『図説 室町幕府』を執筆されてみて、書くのが楽しかったところ、逆に難しかったところはありましたか?

項目別にまとめることに決まったので、まずはどの項目を取り上げるのか、取捨選択をするのに苦労しました。実際に、本当は他にも取り上げたい項目はあったのですが、あまりマニアックにするのもどうかなと思いますし、ページ数の都合で泣く泣くカットした項目もあります。
逆に、
編集者が執筆するということで、「こんな写真や図版を掲載したらよりわかりやすくなるのではないか」とか「読者の方に驚いてもらえるのではないか」と考えながら執筆できたのは楽しかったですね。そして、書き進めるなかで新たな発見もたくさんありましたので、私としてもとても勉強になりました。


新たな発見があったと言われましたが、書く前と後とで、室町幕府に対する認識が変わったところはありましたか?

そうですね。室町時代は比較的平和な時代だったとイメージされることが多いと思うのですが、こと幕府に限っては全然そんなことはないなと。他の時代の幕府と比べても、とにかく内乱や政争が多い。とくに鎌倉公方や明応の政変で将軍家が二つに分裂した後など、将軍の一族同士で戦争しているというのは室町幕府だけの特徴なんだと実感しました。しかも、頻発する内乱や政争と、政策や政治体制とが密接にリンクしているなと。そこで、当初は考えていなかったのですが、途中で急遽、第3部として「幕府を揺るがした合戦・政争」という項目を立て、第1部の「幕府を支える人びと」や第2部の「基本となった政策・制度」と相互補完できるかたちにしました。そのあたりも本書の読みどころのひとつですね。


200年以上続いた室町幕府ということで、登場人物がたくさん出てきますが、1番好きな人物は誰でしょうか?

『室町幕府将軍列伝』では8代将軍足利義政を執筆させていただいたのですが、実は義政の父である6代将軍足利義教が好きです。青蓮院に入って天台座主という宗教界のトップに立った後、兄の義持が後継者を決めずに死去したことから急遽くじ引きで将軍就任が決まり、さらに最後は嘉吉の乱で家臣に殺害されるという波瀾万丈な一生もさることながら、独裁者のイメージが強いながらも、それは実際には彼の理想の高さの裏返しという部分にも惹かれます。
ちなみに余談ですが、幕府ではなく室町時代という括りで考えると、『康富記』という日記を残した朝廷の下級官人の中原康富という人物が1番好きですね。いずれ中原康富の伝記を書いてみたいなとも思いますが、さすがにGOサインは出ないでしょうね(笑)



最後に、読者の方に一言お願いします!

ご購入いただいた皆さま、そして本書をお読みいただいた皆さま、誠にありがとうございます。ネット上の反応等を見ましても、「わかりやすい」ですとか「便利」だという感想がたくさん上がっており、嬉しく思っています。本当にありがとうございました。
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編集長、お忙しい中インタビューにお答えいただき本当にありがとうございました!

本書の内容とも関わりのあるセミナー(戎光祥ヒストリカルセミナーvol.5「鎌倉府と東国の動乱」)を来年の1/19(土)に新宿にて開催いたします。すでにお席の半分以上が埋まっておりますので、興味をお持ちくださった方はお早めにお申し込みください!駒見敬祐先生、植田真平先生、石橋一展先生をお招きし、鎌倉府と東国の動乱について解説していただきます。関東に拠点が置かれた鎌倉府、そして巻き起こった数々の動乱!京都の室町幕府とはいかなる関係にあったのか!?今回は3つの動乱(上杉禅秀の乱・永享の乱・結城合戦)を取り上げ、最新の研究成果から鎌倉府の特質・魅力に迫ります。

インタビュー日:2018年10月24日

2018-10-25 09:55:21

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柴先生!『マンガで読む 新研究 織田信長』インタビュー

すずき孔先生の最新刊、『マンガで読む 新研究 織田信長』の監修を担当された柴裕之先生(近刊『清須会議』の著者)にも、監修をされた感想をインタビューをさせていただきました!なかなか表には出てこない監修の裏話などが盛りだくさんです。



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今回、すずき孔先生に企画を依頼するにあたり、すずき先生から第一線で織田信長研究をしている先生に監修をお願いしたいということになり、柴先生に監修をお願いさせていただきました。柴先生のもとにお話があったときの印象はどうでしたか?

正直、そのような依頼をいただくとは思っていなかったので、「なぜ私に?本当に私でいいのだろうか?」とびっくりしました。また、私が監修者を務めて、どこまで信長像を提示することができるのだろうか、という思いがよこぎったのも正直な感想です。
 

依頼がきたときにびっくりされたとのことですが、実際に監修をされるうえで、不安や期待などはどうでしたか?

実は、監修をさせていただくこと自体が初めての経験だったので、そのあたりが不安でした。また、自分は研究者という立場ですし、マンガ家のすずき先生と、どういう風にコミュニケーションを取ったらいいのか、多少心配でした。とはいえ、すずき先生とはそれまでに何回もお会いしており、他の作品も拝読していて熱心な方であることはわかっていましたので、楽しみでもありました。そして、近年大幅に研究が進んだ信長像を初めてマンガというかたちで刊行することになるので、とてもやりがいのある仕事だなと思いました。
 


今回の企画は、すずき先生と柴先生の間で密に連絡をとっていただいたことにより実現できたものかと思いますが、完成に向けての楽しさや苦労などはいかがでしょうか?

実は、苦労は全然ありませんでした。『清須会議』とは違って(笑)

実際、すずき先生が最新の研究を深く読みこんで質問してきてくださったので、すずき先生の熱心さにとても刺激を受けました。ですので、コミュニケーションの問題はあっという間に解決し、一緒に作品を作っていく楽しみを感じ、自分としても、最新の研究を見直す良いきっかけになったかなと思います。

 

すずき先生からラフや原稿が上がってきたときの感想はいかがでしたか?また、最新の研究成果がマンガとつながり、広がっていくことについて、どのような印象をお持ちですか?

まず、最初に上がってきた原稿を拝読させていただいたときに、「これは画期的なマンガだな」と感じました。そして、研究は研究であって、たとえ新書の類いであっても読者とは遠い関係にあったのが、マンガを通して身近なものとなっていくのはとても大事なことだと思いました。今回、そのような経験をさせていただいたのは、自分にとってとても大きなことでした。今後は、一般の読者の方とのコミュニケーションのツールにしたいと考えています。
 

これまで、織田信長についてはマンガでさまざまなかたちで描かれてきましたが、本書はこれまでのマンガとは一線を画したものになっているかと思います。そこで、本書の画期的なところなどはどこになりますでしょうか?あわせて、本書の読みどころも教えてください。

セリフや勢力図など、細かい点にもこだわっており、歴史学者が描いている最新の信長像を、すずき先生が描き切ってくれました。実際に、新しい内容を次々に盛り込んでくれて、私としても興味が尽きることはありませんでした。今回のマンガでは、後世にイメージされた信長ではなく、同時代に生きている信長像が出せたと考えています。具体的な内容としては、信長が朝廷・宗教・諸大名とどのような関係を結ぼうとしたのか、はたして、これまでのイメージのように秩序の破壊者だったのだろうか?そのあたりを念頭に置きながらお読みいただければ幸いです。
 

ズバリ、柴先生にとって織田信長の魅力はなんでしょうか?

戦国時代の中で、信長はあるべき姿を求めた人だと思っています。そして、自分が理想と思っていることについては、他人も理想だと思っている。だから、自分についてこれない人は蹴落とされていってしまう。私はこうした、当時の概念の中での信長の理想の高さに惹かれています。


近年、たくさんの信長像を見直す書籍が出ていますが、柴先生が考える、今後の織田信長 研究の進展・展望について教えてください。

革新的なイメージで考えられてきた信長が、近年は保守的なイメージをされることが多くなってきています。ただし、ひとくくりに「保守的」と考えるのではなく、戦国時代に生きた人物として、信長自身の実態を捉えていきたいと考えています。同時に、信長の下で働いている武将たちはどうだったのか、彼らの政策がどうだったのかを考えていくことで、信長像を相対化できるのかなとも考えています。
 

今回は織田信長の監修をお願いさせていただきましたが、次にやるとしたら、どのようなテーマがおもしろそうですか?

信長の家臣は秀吉や柴田勝家などをはじめとして個性的な人が多いので、おもしろいのではないでしょうか。信長の下で働いている武将たちはどういう人物だったのか、彼らの政策はどのようなものだったのか等を考えていくことで、逆に新たな信長像が見えてくるのではないでしょうか。

 
最後に、本書の読者に向けて、一言お願いします!

画期的な、意義深いマンガだと、心の底から思います。同時代の中での信長を描いたものであり、自分が携わってなくても絶対に購入したと言い切れる、素晴らしい作品になりました。これまでとは違う信長が描かれていますので、ぜひお手に取ってお読みいただきたい。また、一般の読者のみではなく、研究者の方にも読んでいただきたいですね。
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柴先生、お忙しい中インタビューにお答えいただき本当にありがとうございました!

「同時代の中での信長」が描かれたマンガということで、本書を読めば子どもから大人まで誰もが楽しみながら最新の研究成果に触れることができます。まさに柴先生がおっしゃる通り、画期的なマンガに仕上がっています!柴先生は本書の監修だけでなく、近刊『清須会議』もご執筆されており、戎光祥ヒストリカルセミナーvol.2(2018年9月15日開催@神田※当日の飛び込み参加も大歓迎)の講師も務められる大注目の先生です!!



※Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店で事前予約を受け付けております!ぜひご利用ください!

インタビュー日:2018年8月31日

2018-09-13 11:06:10

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すずき孔先生!『マンガで読む 新研究 織田信長』インタビュー

弊社からマンガで読むシリーズとして、『マンガで読む 真田三代』『マンガで読む 井伊直政とその一族』『マンガで読む 徳川武将列伝』を刊行されているすずき孔先生。史実に忠実に基づいた歴史をマンガで楽しむことができると、子どもから大人まで、非常に幅広い層の歴史ファンから支持されています。

そんなすずき先生の近刊、『マンガで読む 新研究 織田信長』についてインタビューをさせていただきました!!



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今回、弊社の方から織田信長を題材に描いていただけないかと依頼させていただきましたが、依頼をうけたときの率直な感想はいかがでしたか?

私はもともと徳川家臣団に興味をもってそこからスタートしたので、尾張については徳川とのつながり以上の知識や興味はありませんでした。また、今までマイナーな人物の伝記ばかり描いてきたので、こんな超メジャーな人物を書くことになろうとは思いもせず、「信長の伝記マンガなんて巷にあふれかえっているのになぜ私が今さら?」というのが率直な感想です。ただ、以前愛知県小牧市の依頼で信長の少年~小牧山城時代の伝記マンガを描いたことがあり、若い頃の信長のことはある程度頭に入っていたので、その続編を書くような感覚で入れました。他の武将よりはとっつきやすかったです。


第一線で織田信長研究をしている先生に監修をお願いしたいということになり、柴裕之先生に監修をお願いすることになりましたが、不安や期待などはありましたか?

前記のような理由で、今回は絶対自分の力だけで描くことは無理だとわかっていました。資料を読む時間は限られている中、信長には熱心なファンもたくさんおられますし、下手なものを描いたら大恥をかくことになりかねないと…。柴先生の徳川関係の著書は拝読したり、講演会をお聞きする機会があり、大変素晴らしい研究をされている方だと存じ上げておりました。ですので、今回監修になっていただいて本当にありがたく思いました。


今回の企画は、すずき先生と柴先生の間で密に連絡をとっていただいたことにより実現できたものかと思いますが、完成に向けての楽しさや苦労などはいかがでしょうか?

柴先生にはお世話になりっぱなしで、私の方は苦労はありませんでした。ネームや原稿見本をお送りすると、だいたいその日の夜か次の日にはすぐにお返事が来て、一つの質問について、その時代背景やなぜそうなったかについて大変詳しくわかりやすい解説まで書いてくださいました。今までいただいたメールの返信だけで一冊本ができるくらいの分量で、これは私の宝物にしたいと思います(笑)。また、ネームも大変細かく見てくださり、こちらが気づかないような言葉遣いの間違い、年号表記の不統一なところまでキチンと直していただきありがたかったです。また、最初私は足利義昭のキャラについてなかなかつかめず「なぜ信長が領地をくれるという申し出があったにも関わらず受けなかったのか」と質問したところ、先生から「足利義昭は大変プライドの高い人物だったので」とお返事をいただき、それで自分の中でキャラが一気に固まったこともありました。


監修の柴先生に、なにか一言ありましたらお願いします。

ひたすらありがとうございましたとしか言えません。

ご自身の研究だけでもお忙しい中、こちらの質問だけでなく、こちらが気づかなかったことについても、わざわざ資料を探してお答えくださり、また一度回答いただいたことも、次の日に新たな史料を探してメールいただいたり、とにかく熱心に向き合ってくださり、毎回感激していました。



これまで、織田信長についてはマンガでさまざまなかたちで描かれてきましたが、本書はこれまでのマンガとは一線を画したものになっているかと思います。とくに力を入れた箇所や注意した点はどのあたりでしょうか?あわせて、本書の読みどころも教えてください。

信長の伝記でテンプレとなっているエピソード…うつけ姿、平手政秀の切腹、位牌に抹香を投げる…そういった「今さら」なものは今回まったく描きませんでした。この本はそういったものを読んだうえで、さらに「今の」信長像はどうなっているのかを知りたい人のために描きました。信長は旬の研究ジャンルで、現在でも次々と諸説が現れる中、より信ぴょう性がある説を選び、信長の数多い業績の中からここだけは知ってほしいという部分をマンガにしました。さらに学習マンガにありがちな歴史事実の羅列を避け、人物の感情の動きも入れつつ、文字数を削りなるべく読みやすくなるように努めました。あと、足利義昭の扱いも今までの学習マンガとはかなり違っているので、そこもご注目いただければと思います。


ズバリ、すずき先生にとって織田信長の魅力はなんでしょうか?

あまりにもいろんな面を持っているので、いまだに「こういう人だ」と断言することができないのですが、魂の純度が高くてバイタリティのある人物だったと思います。生真面目に自分のできることを精一杯、あきらめず腐らずにやっていったら結果として誰にもまねできないことを成し遂げてしまったのかなと描いていて思いました。私は凡人なので、そんな信長についていけない足利義昭の方にも同じくらい魅力を感じてしまいますが…。


今回は織田信長を題材にということでお願いさせていただきましたが、次にやるとしたら、どのようなテーマをやりたいですか?

時代や国は問いませんが、魅力的なのにわかりやすい本がないばかりに知られていない人物、今回のようによく知られた人物でも世間に知られていない部分を紹介するお手伝いができればいいなと思っています。徳川ができたらそれは一番ありがたいですが(笑)。


最後に、本書の読者に向けて、一言お願いします!

この本の信長像はあくまで現在の研究をもとにしたものです。今後さらに研究が進んで全く違った信長像になっていくかもしれません。歴史は本に書かれていることが正解なのではなく、多くの優秀な学者の先生が自分の人生をかけて一所懸命に研究し、その成果を次々に発表し、日々新しくなっていく生きもののようなものだと思って下さったらうれしいです。
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『マンガで読む 新研究 織田信長』は、最新の研究成果が盛り込まれていることはもちろん、すずき先生が描かれる凛々しいルックスの織田信長たちも必見です!!

すずき先生、お忙しい中インタビューにお答えいただき誠にありがとうございました。気が早いですが、次回作も楽しみにしております!

※Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店で事前予約を受け付けております!ご利用ください!

インタビュー日:2018年9月5日

2018-09-12 10:30:36

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柴裕之先生!『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』インタビュー

『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』と『マンガで読む 新研究 織田信長』の刊行を控えていらっしゃる、今、最もホットな研究者のひとりである柴裕之先生に、ご著書『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』のインタビューをさせていただきました!!

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『清須会議』の依頼を受けたときの率直な印象はいかがでしたか?

2013年に三谷幸喜さんの映画『清須会議』が公開されるなど、一般の方にもさまざまなかたちでイメージはされていますが、実は清須会議ではどんなことが行われていたのか、あまり明らかになっていなかったので、どれだけ実態が追及できるのか、多少心配でした。しかし、本能寺の変で織田信長が死んだ後、すぐに秀吉が台頭するのはなぜなのか?そもそも、すぐに台頭したのは本当なのか?そのあたりを明らかにしてみたいと思いました。




実際に、『清須会議』を執筆されてみて、書くのが楽しかったところ、逆に難しかったところはありましたか?

まずは難しかったところですが、実は、当日も含めて清須会議に関する同時代史料はほとんどないのです。そのため、限られた史料をどう読み解き、どう実像に迫っていくのかが難しかったです。逆に楽しかったところは、たくさんあります。たとえば、メインキャストの中に織田信雄・信孝という信長の二人の息子が登場します。それまで、二人の性格についてはほとんどイメージが湧かなかったのですが、書き進める中で、母親の血縁の影響が色濃くでた信雄と、功績を楯にする信孝というように、二人の性格がよくわかってきたのが楽しかったです。あとは、信長の描いていた政治構想がはっきり見えてきたところですね。
 

「信長の描いていた政治構想」というお話も出ましたが、ズバリ、本書の読み所はどのあたりでしょうか?

信長の生前に固まりつつあった政治構想が、本能寺の変での信長の死去という突然のアクシデントで瓦解してしまったわけですが、そのなかで、宿老や息子たちが織田家という組織をどのように維持しようとしたのか、登場人物たちの人間模様がひとつの読み所です。以前、『織田氏一門』という書籍を編集したときに、個性の強い一族だなと思ったのですが、その個性の強さが一番出たのが、清須会議だったのかなと思います。実際にみんなバラバラだったので、よくうまく会議がまとまったなと。正直、ここまで登場人物たちの個性が強いとは思いませんでした(笑)



 
研究者の方にこんな質問をするのはタブーなのですが、もし信長が本能寺の変で斃れなかったらどうなっていたのでしょうか?先ほどから信長の政治構想のお話が何度か出ておりますので、そのあたりと絡めてぜひ教えてください。

信長はすでに「天下人」の立場を固めており、それを信長→信忠→三法師と、嫡流にどう継承していくかが課題なっていたと思います。また、私は三法師が後継者になることは事前に決まっていたと考えています。そのあたりを考慮することで、本能寺の変でなぜ信忠が討たれたのかも、見えてくるのではないでしょうか。同時に、本能寺の変時に成人していた信忠以外の信長の息子たちが、ほとんど他家に養子に入っている意味も考える必要があるでしょう。ちなみに、信長は天下人織田家の居城として安土城を築城していますが、信長の天下が続いた場合、もしかしたら政権の所在地が京都から安土に移動した可能性もあると考えています。


 

『清須会議』を書き終えられたばかりではありますが、今後、書籍を執筆してみたいテーマはありますか?

そうですね、信長が「天下人」となるきっかけと〝なってしまった〟三方ヶ原の戦いは書いてみたいですね。信長が「天下人」となっていく過程が、よりわかるようになるのではないかなと。あとは、『清須会議』を書いたことで、織田信雄をもっと深く考えてみたいと思うようになりました。信長の政治構想をぶち壊した明智光秀についても書いてみたいですね。
 


最後に、本書の読者に向けて、一言お願いします!

生前の信長が、いったいどういうことを考えていたのか、突然のアクシデントに見舞われてしまった織田家がどのように対処していったのか、そして、その中で秀吉がどのように台頭していくのか。清須会議の実像に迫ることで、そのスリリングな政治状況を楽しんでいただければ嬉しいなと思っています。



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柴先生、お忙しい中インタビューにお答えいただき誠にありがとうございました!柴先生はとても熱い方で、お話を聞いていて非常に楽しく勉強になりました。『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』も、先生の熱量が感じられる出来に仕上がっています。皆様、ぜひご期待ください!!

※Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店で事前予約を受け付けております!ご利用ください!

インタビュー日:2018年8月31日

2018-09-04 11:24:29

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実像に迫るシリーズ『上杉謙信』の著者に突撃!

シリーズ実像に迫る014 上杉謙信の反響がよかったので、著者の石渡洋平氏に突撃して小話をいただいてまいりました!!!
興味のある方はぜひご一読&この記事を拡散していただけますと大変うれしいです(ง `ω´)ง
 
 
【謙信の完璧人間“すぎる”ところに引っかかったのが、執筆のきっかけ】
上杉謙信というと、「義」に厚く、戦争にめっぽう強いなど、カリスマ的な存在といわれてきた。ただ、以前からちょっと〝完璧すぎる〟ところが気になっていた。実際、調べていくと引退騒動を起こしたり、家臣の悪行にキレてしまったり……。意外な姿がみえてきて、いつのまにか夢中で執筆していました。これまでのイメージとギャップがあるので、結論を書くのは少し苦労しましたが…笑
 
 
【謙信の好きなところ・こわいなと感じるところ】
これは本文では書けなかったのですが、謙信の一番好きなところは、いつでも〝素直〟なところかな。ほめるときはほめるし、怒るときは怒るし、酒を飲むときはとことん楽しんで飲むし。でも、謙信にみんなの前で「この馬鹿!」といわれたら、かなりへこみそうだけど苦笑
 
 
【本書の見どころ・読みどころ!】
本文もですが、とくに上越市観光振興課にご協力いただいた、謙信の本拠・春日山城の写真をみていただきたいですね。きれいな写真をご提供いただいたので、興味を持った方はぜひ春日山城を訪れてみてください。現地に行って、謙信の気持ちになってみるのも楽しいと思います。私も春日山城に登ったことがありますが、城からみえる直江津の街並みや日本海の壮大な景色をみて、感動した思い出があります。
 
 
次はどの武将を取り上げようかなと悩んでいますが、読者の声にもできるだけ応えていきたいなと個人的には考えています。
 
(著者談)

 
石渡先生、お忙しい中ほんとうにありがとうございました…!先生がどんな想いで本書を執筆されたのか、その気持ちに自然と共感いたしました。また本書を読むことで、イメージがひとり歩きしているのではない、まさに実像に迫ったリアルな謙信を身近に感じることができたような気がします。
 
謙信の本拠地である春日山城、みなさんもぜひ行ってみてください!「謙信もこの景色を見たのかな」「この道を歩いたのかな」「もしかしてこの場所で家臣に怒鳴ってた?笑」なんて想像をしながら巡るときっと楽しいですね!
 
次回作に期待しつつ、この辺で終わりにさせていただきます。
 
読んでくださった謙信好きのみなさま、ありがとうございます!


2018-05-08 17:05:06

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