×

CATEGORY

CATEGORY

MENU

HOME»  ブログ記事一覧»  インタビュー»  柴裕之先生!『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』インタビュー

柴裕之先生!『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』インタビュー

柴裕之先生!『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』インタビュー

『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』と『マンガで読む 新研究 織田信長』の刊行を控えていらっしゃる、今、最もホットな研究者のひとりである柴裕之先生に、ご著書『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』のインタビューをさせていただきました!!

-------------------
『清須会議』の依頼を受けたときの率直な印象はいかがでしたか?

2013年に三谷幸喜さんの映画『清須会議』が公開されるなど、一般の方にもさまざまなかたちでイメージはされていますが、実は清須会議ではどんなことが行われていたのか、あまり明らかになっていなかったので、どれだけ実態が追及できるのか、多少心配でした。しかし、本能寺の変で織田信長が死んだ後、すぐに秀吉が台頭するのはなぜなのか?そもそも、すぐに台頭したのは本当なのか?そのあたりを明らかにしてみたいと思いました。




実際に、『清須会議』を執筆されてみて、書くのが楽しかったところ、逆に難しかったところはありましたか?

まずは難しかったところですが、実は、当日も含めて清須会議に関する同時代史料はほとんどないのです。そのため、限られた史料をどう読み解き、どう実像に迫っていくのかが難しかったです。逆に楽しかったところは、たくさんあります。たとえば、メインキャストの中に織田信雄・信孝という信長の二人の息子が登場します。それまで、二人の性格についてはほとんどイメージが湧かなかったのですが、書き進める中で、母親の血縁の影響が色濃くでた信雄と、功績を楯にする信孝というように、二人の性格がよくわかってきたのが楽しかったです。あとは、信長の描いていた政治構想がはっきり見えてきたところですね。
 

「信長の描いていた政治構想」というお話も出ましたが、ズバリ、本書の読み所はどのあたりでしょうか?

信長の生前に固まりつつあった政治構想が、本能寺の変での信長の死去という突然のアクシデントで瓦解してしまったわけですが、そのなかで、宿老や息子たちが織田家という組織をどのように維持しようとしたのか、登場人物たちの人間模様がひとつの読み所です。以前、『織田氏一門』という書籍を編集したときに、個性の強い一族だなと思ったのですが、その個性の強さが一番出たのが、清須会議だったのかなと思います。実際にみんなバラバラだったので、よくうまく会議がまとまったなと。正直、ここまで登場人物たちの個性が強いとは思いませんでした(笑)



 
研究者の方にこんな質問をするのはタブーなのですが、もし信長が本能寺の変で斃れなかったらどうなっていたのでしょうか?先ほどから信長の政治構想のお話が何度か出ておりますので、そのあたりと絡めてぜひ教えてください。

信長はすでに「天下人」の立場を固めており、それを信長→信忠→三法師と、嫡流にどう継承していくかが課題なっていたと思います。また、私は三法師が後継者になることは事前に決まっていたと考えています。そのあたりを考慮することで、本能寺の変でなぜ信忠が討たれたのかも、見えてくるのではないでしょうか。同時に、本能寺の変時に成人していた信忠以外の信長の息子たちが、ほとんど他家に養子に入っている意味も考える必要があるでしょう。ちなみに、信長は天下人織田家の居城として安土城を築城していますが、信長の天下が続いた場合、もしかしたら政権の所在地が京都から安土に移動した可能性もあると考えています。


 

『清須会議』を書き終えられたばかりではありますが、今後、書籍を執筆してみたいテーマはありますか?

そうですね、信長が「天下人」となるきっかけと〝なってしまった〟三方ヶ原の戦いは書いてみたいですね。信長が「天下人」となっていく過程が、よりわかるようになるのではないかなと。あとは、『清須会議』を書いたことで、織田信雄をもっと深く考えてみたいと思うようになりました。信長の政治構想をぶち壊した明智光秀についても書いてみたいですね。
 


最後に、本書の読者に向けて、一言お願いします!

生前の信長が、いったいどういうことを考えていたのか、突然のアクシデントに見舞われてしまった織田家がどのように対処していったのか、そして、その中で秀吉がどのように台頭していくのか。清須会議の実像に迫ることで、そのスリリングな政治状況を楽しんでいただければ嬉しいなと思っています。



-------------------

柴先生、お忙しい中インタビューにお答えいただき誠にありがとうございました!柴先生はとても熱い方で、お話を聞いていて非常に楽しく勉強になりました。『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』も、先生の熱量が感じられる出来に仕上がっています。皆様、ぜひご期待ください!!

※Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店で事前予約を受け付けております!ご利用ください!

インタビュー日:2018年8月31日

2018-09-04 11:24:29

インタビュー   |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント

お問い合わせ

戎光祥出版へのお問い合わせはこちら

03-5275-3361

03-5275-3365

営業時間 9:30~18:30
定休日 土・日曜日、祝日

お問い合わせ