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すずき孔先生!『マンガで読む 新研究 織田信長』インタビュー

すずき孔先生!『マンガで読む 新研究 織田信長』インタビュー

弊社からマンガで読むシリーズとして、『マンガで読む 真田三代』『マンガで読む 井伊直政とその一族』『マンガで読む 徳川武将列伝』を刊行されているすずき孔先生。史実に忠実に基づいた歴史をマンガで楽しむことができると、子どもから大人まで、非常に幅広い層の歴史ファンから支持されています。

そんなすずき先生の近刊、『マンガで読む 新研究 織田信長』についてインタビューをさせていただきました!!



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今回、弊社の方から織田信長を題材に描いていただけないかと依頼させていただきましたが、依頼をうけたときの率直な感想はいかがでしたか?

私はもともと徳川家臣団に興味をもってそこからスタートしたので、尾張については徳川とのつながり以上の知識や興味はありませんでした。また、今までマイナーな人物の伝記ばかり描いてきたので、こんな超メジャーな人物を書くことになろうとは思いもせず、「信長の伝記マンガなんて巷にあふれかえっているのになぜ私が今さら?」というのが率直な感想です。ただ、以前愛知県小牧市の依頼で信長の少年~小牧山城時代の伝記マンガを描いたことがあり、若い頃の信長のことはある程度頭に入っていたので、その続編を書くような感覚で入れました。他の武将よりはとっつきやすかったです。


第一線で織田信長研究をしている先生に監修をお願いしたいということになり、柴裕之先生に監修をお願いすることになりましたが、不安や期待などはありましたか?

前記のような理由で、今回は絶対自分の力だけで描くことは無理だとわかっていました。資料を読む時間は限られている中、信長には熱心なファンもたくさんおられますし、下手なものを描いたら大恥をかくことになりかねないと…。柴先生の徳川関係の著書は拝読したり、講演会をお聞きする機会があり、大変素晴らしい研究をされている方だと存じ上げておりました。ですので、今回監修になっていただいて本当にありがたく思いました。


今回の企画は、すずき先生と柴先生の間で密に連絡をとっていただいたことにより実現できたものかと思いますが、完成に向けての楽しさや苦労などはいかがでしょうか?

柴先生にはお世話になりっぱなしで、私の方は苦労はありませんでした。ネームや原稿見本をお送りすると、だいたいその日の夜か次の日にはすぐにお返事が来て、一つの質問について、その時代背景やなぜそうなったかについて大変詳しくわかりやすい解説まで書いてくださいました。今までいただいたメールの返信だけで一冊本ができるくらいの分量で、これは私の宝物にしたいと思います(笑)。また、ネームも大変細かく見てくださり、こちらが気づかないような言葉遣いの間違い、年号表記の不統一なところまでキチンと直していただきありがたかったです。また、最初私は足利義昭のキャラについてなかなかつかめず「なぜ信長が領地をくれるという申し出があったにも関わらず受けなかったのか」と質問したところ、先生から「足利義昭は大変プライドの高い人物だったので」とお返事をいただき、それで自分の中でキャラが一気に固まったこともありました。


監修の柴先生に、なにか一言ありましたらお願いします。

ひたすらありがとうございましたとしか言えません。

ご自身の研究だけでもお忙しい中、こちらの質問だけでなく、こちらが気づかなかったことについても、わざわざ資料を探してお答えくださり、また一度回答いただいたことも、次の日に新たな史料を探してメールいただいたり、とにかく熱心に向き合ってくださり、毎回感激していました。



これまで、織田信長についてはマンガでさまざまなかたちで描かれてきましたが、本書はこれまでのマンガとは一線を画したものになっているかと思います。とくに力を入れた箇所や注意した点はどのあたりでしょうか?あわせて、本書の読みどころも教えてください。

信長の伝記でテンプレとなっているエピソード…うつけ姿、平手政秀の切腹、位牌に抹香を投げる…そういった「今さら」なものは今回まったく描きませんでした。この本はそういったものを読んだうえで、さらに「今の」信長像はどうなっているのかを知りたい人のために描きました。信長は旬の研究ジャンルで、現在でも次々と諸説が現れる中、より信ぴょう性がある説を選び、信長の数多い業績の中からここだけは知ってほしいという部分をマンガにしました。さらに学習マンガにありがちな歴史事実の羅列を避け、人物の感情の動きも入れつつ、文字数を削りなるべく読みやすくなるように努めました。あと、足利義昭の扱いも今までの学習マンガとはかなり違っているので、そこもご注目いただければと思います。


ズバリ、すずき先生にとって織田信長の魅力はなんでしょうか?

あまりにもいろんな面を持っているので、いまだに「こういう人だ」と断言することができないのですが、魂の純度が高くてバイタリティのある人物だったと思います。生真面目に自分のできることを精一杯、あきらめず腐らずにやっていったら結果として誰にもまねできないことを成し遂げてしまったのかなと描いていて思いました。私は凡人なので、そんな信長についていけない足利義昭の方にも同じくらい魅力を感じてしまいますが…。


今回は織田信長を題材にということでお願いさせていただきましたが、次にやるとしたら、どのようなテーマをやりたいですか?

時代や国は問いませんが、魅力的なのにわかりやすい本がないばかりに知られていない人物、今回のようによく知られた人物でも世間に知られていない部分を紹介するお手伝いができればいいなと思っています。徳川ができたらそれは一番ありがたいですが(笑)。


最後に、本書の読者に向けて、一言お願いします!

この本の信長像はあくまで現在の研究をもとにしたものです。今後さらに研究が進んで全く違った信長像になっていくかもしれません。歴史は本に書かれていることが正解なのではなく、多くの優秀な学者の先生が自分の人生をかけて一所懸命に研究し、その成果を次々に発表し、日々新しくなっていく生きもののようなものだと思って下さったらうれしいです。
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『マンガで読む 新研究 織田信長』は、最新の研究成果が盛り込まれていることはもちろん、すずき先生が描かれる凛々しいルックスの織田信長たちも必見です!!

すずき先生、お忙しい中インタビューにお答えいただき誠にありがとうございました。気が早いですが、次回作も楽しみにしております!

※Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店で事前予約を受け付けております!ご利用ください!

インタビュー日:2018年9月5日

2018-09-12 10:30:36

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