これまで島原・天草一揆は、キリシタンが中心となり、幕藩体制を大きく揺るがした宗教戦争として理解されてきた。
しかし、現在の研究では、宗教弾圧への抗議という側面だけでなく、困窮に瀕した農民たちが引き起こした大規模な反乱との見方が重視されている。この戦いは、幕藩体制、そして人びとの政治・経済・宗教にどのような影響をもたらしたのか?
本号では、島原・天草一揆で取られた戦術など戦争の様相、決戦の舞台となった原城の構造や役割、城を包囲した幕府軍の配置図などの絵図や諸大名の記録など、さまざまな角度からその実態に迫る。
さらに一揆の中心人物となった天草四郎の実像や、明智光秀の孫で、一揆で討ち死にした三宅藤兵衛など、これまで取り上げられることのなかった人物にも焦点をあて、島原・天草一揆の全体像を浮かび上がらせた。
島原・天草一揆という事件から、近世という時代の黎明を最新研究で紐解いたはじめての1冊。
カラーグラフ 島原・天草一揆
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